前回は、白色矮星の話をしました。白色矮星は、物質がうんと縮まったときに、電子が「同じところに、同じ性質を持って存在できない」という性質があって、この性質が重力により縮むことに反発するために、星として保っている天体でした。ところが、この電子の性質にも限界があって、重力が強いとその限界を超えてしまいます。そして、電子は原子核、特に陽子とくっついて中性子になってしまって、白色矮星として存在できなくなり、つぶれてしまいます。普通の物質は陽子と電子の数は同じくらいあります。プラスのイオンがあると近くにマイナスのイオンがあって、まとめると電気的に中性になってしまうものです。ですから、電子が陽子とくっついて中性子になると言うことは、物質のほとんどが中性子になってしまうと言うことです。
さて、電子で耐えられなくなってつぶれた場合、もうひとつ反発するものがあります。それは、中性子や陽子です。中性子と陽子は原子核を構成する物質なので、まとめて核子と呼びます。核子も「同じところに、同じ性質を持って存在できない」という性質をもつ「フェルミ・ディラック粒子」です。電子では耐えられなかったけれども、核子では耐えられる場合があります。この核子の性質が重力により縮むことに反発するために、星として保っている天体を中性子星と呼びます。中性子星の構成物はほぼ中性子だと言うわけです。太陽と同じ重さの中性子星の半径はおよそ10kmとなります。ちなみに、平均密度を計算してみると、太陽の質量は2.0x1033 gで、半径10km の球の体積は4.2x1018cm3 だから、密度は4.8x1014g/cm3となります。トンで表すと4.8x108 t/cm3、すなわち1cm3あたり4億8千万トンということです。
そして、さらに重くなって核子の反発力でも耐えられなくなった場合、どうなるでしょうか?もはや重力に反発するものが無くなり、星はつぶれてしまいます。それがブラックホールと言うわけですね。星が、結局小さな中性子星やあるいはブラックホールになってしまうとき、大きな重力エネルギーを開放します。そのエネルギーで外層の物質を吹き飛ばし、大変明るく輝きます。この現象が超新星爆発として観測されます。しかし、超新星爆発として、外層を吹き飛ばしたりする現象をうまく理論的に説明することはまだできていません。
普通は、星間物質が集まり十分に重い天体ができて、その中心部で核融合反応が起こったとき星が生まれたことになります。その星は、はじめは核融合反応により発生した熱の力で自分の質量による重力を支えているわけです。その間に重い星は星風という現象で、表面から物質を吹き飛ばしますので、質量は減少していきます。そして、核融合反応が終了したときの質量で、白色矮星になるのか、超新星爆発を起こし中性子星になるのか、はたまたブラックホールになるのか決まるわけです。通常は、星がどんな質量で生まれたかで、核融合反応の進み方や終了する時期も決まり、また星風の量も決まります。したがって、単独に存在する星は生まれたときにすでに、最後はどうなるか運命が決まっていると言うわけです。
ただし、近所に相棒の星があったりすると、相棒の星から質量をもらったり、質量をあげたりすることがあります。「単独でいると決まっている運命も、周りの環境で変えることができる」というわけです。人間も実はそうだったりして?